FX BASICS / ADVANCED ORDERS
OCO・IFD・IFO注文とは?
画面を見ずに
自動で利確・損切りする方法
複合注文を使いこなせば、寝ている間もトレード戦略が自動で動く
「指値・逆指値を使えば注文を自動化できるとわかったけど、エントリーから利確・損切りまで全部まとめて設定できないの?」——FXを少し学んだ初心者が次に抱く、まさにこの疑問に答えるのが本記事です。OCO・IFD・IFO注文は「複合注文」と呼ばれる発展系の注文方法で、これを使いこなすとエントリーから決済まですべてを事前に自動化できます。仕事中でも寝ている間でも、設定した戦略が自動で動いてくれるのが最大のメリットです。
著者より|高橋誠(FXライター・トレーダー歴4年)
FXを始めて1年ほど経ったころ、私は毎晩チャートを見ながら「損切りを手動でやろう」としていました。でもある夜、夕食を食べているすきに相場が急落して、気づいたときには損切りしそびれて含み損が膨らんでいた——そんな苦い経験を何度か繰り返しました。
そのとき先輩トレーダーに教えてもらったのが「IFO注文」でした。エントリーが約定した瞬間に、利確と損切りが自動でセットされる注文です。「なんでこんな便利なものを最初から使わなかったんだろう」と思いましたが、それは誰も教えてくれなかったからでした。
この記事では、OCO・IFD・IFO注文の仕組みと使い方を、初心者にもわかる言葉で徹底解説します。一度理解すれば、トレードのストレスが格段に減るはずです。
OCO・IFD・IFO注文の全体像と違い
FXには「成行・指値・逆指値」という3つの基本注文に加え、それらを組み合わせた「複合注文」があります。OCO・IFD・IFOの3つがその代表例です。まずは全体像を把握してから、それぞれの詳細を学びましょう。
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OCO注文
2つの注文を同時に出し、一方が約定すると他方が自動キャンセルされる
⚡
IFD注文
1つ目の注文が約定したら、自動的に2つ目の注文が有効になる
🎯
IFO注文
IFD+OCOを組み合わせ。エントリー後に利確・損切りを自動セット
| 注文種類 | 正式名称 | 注文の数 | 主な用途 | 自動化レベル |
|---|---|---|---|---|
| OCO | One Cancels the Other | 2つ同時発注 | 利確&損切りの自動化 | ★★☆(決済のみ自動) |
| IFD | If Done | 2つ順番に発注 | 指値エントリー+利確の自動化 | ★★☆(決済1つ自動) |
| IFO | IFD + OCO | 3つすべて自動 | エントリー+利確+損切りすべて自動化 | ★★★(完全自動) |
※「If Done(イフダン)」の別名として「IFO(イフダン+OCO)」は「イフオシー」と呼ぶ業者もあります。業者によって表記・名称が異なることがあります。
OCO注文とは?利確と損切りを同時に管理する
OCO(ワンキャンセルアザー)注文とは、2つの注文を同時に出して、どちらか一方が約定した瞬間に、もう一方を自動でキャンセルする注文方法です。「片道注文」とも呼ばれます。
💡 OCO注文の典型例
ドル円150円でロングポジションを保有している場合:
- 「154円になったら売り(利確)」← 売り指値
- 「147円になったら売り(損切り)」← 売り逆指値
→ この2つを同時に出すのがOCO。154円で利確が執行されたら147円の損切りは自動でキャンセル。147円で損切りされたら154円の利確は自動でキャンセル。
OCO注文のメリット・デメリット
✅ OCOのメリット
- チャートを見ていなくても利確・損切りを両方自動化できる
- 「欲張って利確が遅れる」「損切りできない」という感情的な判断を排除
- 一方が約定した後に残った注文をキャンセルし忘れるリスクがない
- リスクリワード比を明確にしてポジション管理ができる
❌ OCOのデメリット
- エントリー注文とは別に設定が必要(既存ポジションへの後付けが多い)
- 利確・損切りラインを最初に決める必要があるため、分析力が求められる
- スリッページにより損切りが設定価格より不利な価格で執行されることがある
- 業者によっては「OCO」という名称で提供していない場合がある
OCO注文の具体的な使い方(ステップ)
STEP BY STEP:OCO注文の設定手順
- ドル円150円で成行ロングでエントリー済みとする
- 取引画面の「注文種別」から「OCO」を選択
- 注文①:154円に売り指値(利確ライン)を設定
- 注文②:147円に売り逆指値(損切りライン)を設定
- 「注文確定」→ 2つの注文が同時に保留状態になる
- どちらかが約定した瞬間に、もう一方は自動キャンセル
IFD注文とは?エントリーが約定したら次の注文が自動発動
IFD(イフダン)注文とは、「もし(If)1つ目の注文が約定したら(Done)、2つ目の注文を自動的に有効にする」という順番制の注文方法です。1つ目の注文が約定するまで2つ目は待機状態になり、約定した瞬間に自動的に2つ目が発動します。
💡 IFD注文の典型例
ドル円が現在150円。「148円まで下がったら買い、約定したら154円で利確したい」という場合:
- 注文①:「148円で買い指値(エントリー)」← メイン注文
- 注文②:「154円で売り指値(利確)」← サブ注文(①が約定するまで待機)
→ 148円で①が約定した瞬間に、②の154円売り指値が自動で有効になる。148円まで下がらなければどちらも約定しない。
IFD注文が特に役立つシーン
📍 押し目買い戦略
上昇トレンド中、「少し下がった安値でロングしたい」という場合。現在価格より低い買い指値でエントリー待ちをしながら、約定後に利確ラインを自動で設定できる。
📍 就寝前・外出前の事前設定
仕事中や就寝中に相場が動いても、自動でエントリー→利確まで実行できる。「チャートに張り付けない」人に最適な注文方法。
📍 ブレイクアウト後の利確設定
「152円を上抜けたらロングし(買い逆指値)、約定したら155円で利確」という組み合わせ。ブレイクアウトを確認してからの自動利確が可能。
📍 スワップ狙いの長期保有
高金利通貨を低価格で拾って長期保有する戦略。「〇円まで下がったら買い、〇円まで上がったら利確」を事前に設定して放置できる。
IFDの注意点:損切りが設定できない
IFD注文の弱点は、利確(2つ目の注文)は自動化できても、損切り(逆指値)は別途手動で設定する必要がある点です。エントリーが約定したら、忘れずに損切りの逆指値注文を追加で入れてください。この「損切りの設定漏れ」を解消するのが、次に説明するIFO注文です。
⚠️ IFDの落とし穴
IFD注文はエントリー+利確の自動化はできますが、損切り設定は別途必要です。エントリーが約定したことに気づかず損切りを設定しないと、証拠金維持率が急落するリスクがあります。IFD単体で使う場合は、エントリー約定通知をオンにしておくことを強く推奨します。
IFO注文とは?エントリーから利確・損切りまで完全自動化
IFO(イフオシー)注文は、IFD(If Done)とOCO(One Cancels the Other)を組み合わせた複合注文です。「エントリー注文が約定したら(IFD)、利確と損切りをOCOで同時に発動させる」という仕組みで、3つの注文を事前に一括設定できます。
IFO注文の構造
ENTRY(IFの部分)
指値 or 逆指値
148円で買い指値
TAKE PROFIT(OCOの①)
売り指値
154円で利確
STOP LOSS(OCOの②)
売り逆指値
145円で損切り
→ 148円でエントリーが約定したら、154円利確と145円損切りのOCOが自動発動。154円で利確されれば145円の損切りは自動キャンセル。チャートを一切見なくてもトレードが完結する。
IFO注文の実践例:ドル円 押し目買い戦略
| 項目 | 設定内容 | 金額(1万通貨の場合) |
|---|---|---|
| エントリー(IFの注文) | 148円で買い指値 | — |
| 利確(OCOの注文①) | 154円で売り指値 | +60,000円 |
| 損切り(OCOの注文②) | 145円で売り逆指値 | -30,000円 |
| リスクリワード比 | 1:2(損失30,000円に対してリターン60,000円) | |
IFO注文のメリット・デメリット
✅ IFOのメリット
- エントリーから利確・損切りまで3つの注文を一括設定できる
- チャートを一切見なくてもトレード戦略が完結する
- 感情による判断(損切りできない・欲張る)を完全に排除
- 仕事中・就寝中・旅行中でも自動でトレードが進む
- OCOにより、利確後の損切りキャンセルが自動化される
❌ IFOのデメリット
- 設定時に利確・損切りラインを明確に決める必要があるため、事前分析が必須
- 相場状況が変わっても自動で注文を調整してくれない(手動変更が必要)
- 全業者が対応しているわけではない(IFD・OCOを別々に使う必要がある場合も)
- エントリーが約定しないまま相場が大きく動いた場合、見直しが必要
OCO・IFD・IFOの使い分けガイド
3つの複合注文はそれぞれ得意とするシーンが異なります。自分のトレードスタイルに合わせて使い分けることが重要です。以下のガイドを参考にしてください。
| シーン・状況 | 推奨注文 | 理由 |
|---|---|---|
| 既存ポジションの利確・損切りを自動化したい | OCO | 成行でエントリー後、利確・損切りをOCOで管理。最もシンプルな使い方 |
| 押し目でエントリー→利確まで自動化したい(損切りは手動) | IFD | エントリー(指値)と利確(指値)を連動させる。損切りは別途設定 |
| 就寝前・外出前に完全に放置したい | IFO | エントリー→利確・損切りまで全自動。最も完全な自動化 |
| ブレイクアウトを確認後、利確・損切りを自動化したい | IFO(逆指値エントリー) | 買い逆指値でブレイクを確認してエントリー→OCOで利確・損切り |
| スキャルピング(数秒〜数分) | 複合注文は不向き | 超短期トレードには成行注文が適している。複合注文は中長期向け |
| スワップ狙いの長期ロング | IFO(大きめの損切り) | 低価格でのエントリー待ち→長期保有でスワップを積みながら利確ラインを待つ |
初心者の方には「まずOCOから始める」のをおすすめします。成行でエントリーした後に、利確と損切りをOCOで設定する練習を積むことで、感情的なトレードを減らす習慣が身につきます。OCOに慣れてきたら、IFDやIFOに移行していきましょう。
IFO注文で押し目買い戦略を実践する手順
IFO注文を活用した代表的な戦略「押し目買いのIFO」を、具体的な手順で解説します。上昇トレンド中に押し目(一時的な下落)を狙い、チャートを見ずにトレードを完結させる方法です。
準備①:相場環境を確認する
日足や4時間足で上昇トレンドを確認。ダウ理論的に「高値・安値が切り上がっている状態」が押し目買いに適した環境。トレンドが不明確な相場でのIFO設定は避ける。
準備②:エントリーラインを決める
直近の安値・サポートラインの少し上あたりに買い指値を設定。「ここまで下がれば買いたい」という価格を決める。目安は現在価格から1〜2%下。
準備③:利確・損切りラインを決める
利確:直近の高値付近(上値抵抗線)。損切り:エントリー価格の安値更新ライン(直近安値の少し下)。リスクリワード比は最低1:1.5以上を目安にする。
実行:IFO注文を設定する
取引ツールでIFO注文を選択→エントリー価格(買い指値)・利確価格(売り指値)・損切り価格(売り逆指値)を入力→確定。これで設定完了。あとは待つだけ。
EXAMPLE:ドル円 上昇トレンド中の押し目IFO
- 現在レート:ドル円 150円(上昇トレンド継続中)
- エントリー(IF):148円で買い指値 → 1万通貨
- 利確(OCO①):153円で売り指値 → +50,000円
- 損切り(OCO②):146円で売り逆指値 → -20,000円
- リスクリワード比:1:2.5(損失2円に対してリターン5円)
- 設定後は放置。チャートを見なくても自動完結
IFO注文を設定する際の重要なポイントは、「注文の有効期限」を確認することです。多くの業者では「当日限り(デイオーダー)」「無期限(GTC)」から選択できます。押し目を狙う場合は無期限(GTC)に設定しておくのが一般的ですが、相場状況が変わった場合には注文を見直す習慣をつけてください。
業者によって異なる注文名称と対応状況
OCO・IFD・IFO注文は概念として共通ですが、業者によって名称や対応状況が異なります。口座を開設する前に、使いたい注文方法に対応しているか確認することが重要です。
| 概念 | 標準名称 | 別名・業者固有表記の例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| OCO | OCO注文 | 「片道注文」「ワンキャンセルアザー」 | ほぼすべての主要国内業者が対応 |
| IFD | IFD注文 / イフダン | 「連続注文」「If Done注文」「2ウェイオーダー」 | 主要業者は大半が対応。名称に注意 |
| IFO | IFO注文 / イフオシー | 「IFD+OCO注文」「複合注文」「3ウェイオーダー」 | 対応業者と未対応業者がある。要確認 |
💡 口座選びのポイント
複合注文をフル活用したい場合は、口座開設前に以下の点を業者の公式サイトや取引ツールのデモで確認してください:
- OCO・IFD・IFOすべてに対応しているか
- スマートフォンアプリからも複合注文を設定できるか
- 注文の有効期限(当日・無期限など)を選択できるか
- 複合注文の設定画面が直感的に操作できるか
なお、スプレッドやレバレッジ条件だけでなく、注文機能の充実度も口座選びの重要な基準になります。特にスイングトレードや自動化を重視するトレーダーは、複合注文の使いやすさを重点的にチェックしましょう。
複合注文を使うときの注意点と失敗パターン
OCO・IFD・IFO注文は便利な反面、使い方を誤ると意図しない結果になることがあります。初心者がよく陥る失敗パターンを事前に知っておきましょう。
複合注文と資金管理を組み合わせたトレードの考え方
複合注文(OCO・IFD・IFO)を使いこなすだけでは、長期的に利益を出し続けることはできません。注文の自動化と資金管理のルールを組み合わせることで、初めて安定したトレードが実現します。以下の考え方を複合注文と一緒に身につけてください。
2%ルール:1注文の最大損失を口座残高の2%以内に収める
IFO注文を設定する際、損切り幅(逆指値の位置)は分析から決めると思いますが、そこから「ロットサイズ(取引量)」も逆算して決める習慣をつけてください。
2%ルールの計算例
- 口座残高:100,000円
- 1注文の最大損失(2%ルール):100,000円 × 2% = 2,000円
- 損切り幅:30pips(ドル円の場合 1pips=0.01円)= 0.30円
- 最大ロットサイズ:2,000円 ÷ 0.30円 = 6,666通貨 → 6,000通貨で注文
- IFO設定:6,000通貨・損切り30pips・利確60pips(RR比1:2)
このように、IFO注文の損切り幅とロットサイズをセットで計算してから設定することで、1回のトレードで口座残高の2%以上を失うリスクを機械的にコントロールできます。複合注文の自動化と資金管理ルールの組み合わせが、長期的な生き残りの鍵です。
リスクリワード比別のIFO設定パターン
| RR比 | 損切り幅 | 利確幅 | 特徴・向いているスタイル |
|---|---|---|---|
| 1:1 | 20pips | 20pips | 勝率50%以上で損益プラス。デイトレードで比較的安定 |
| 1:1.5 | 20pips | 30pips | 勝率40%でも損益プラス。初心者向けのバランス型 |
| 1:2 | 20pips | 40pips | 勝率34%でも損益プラス。スイングトレードに適している |
| 1:3 | 20pips | 60pips | 勝率25%以上で損益プラス。大きな相場変動を狙うポジショントレード向け |
💡 IFO注文と資金管理のチェックリスト
- 損切り幅(pips)から逆算してロットサイズを決めた
- 1注文の最大損失が口座残高の2%以内に収まっている
- リスクリワード比が1:1以上になっている
- エントリー価格・利確価格・損切り価格を再確認した
- 注文方向(買い・売り)が正しいことを確認した
- 注文の有効期限(当日・無期限)を適切に設定した
よくある質問
まとめ:複合注文を使って「ほったらかしトレード」を実現しよう
OCO・IFD・IFO注文は、基本の指値・逆指値注文を組み合わせた「複合注文」です。これらを使いこなすことで、エントリーから利確・損切りまでをすべて事前に設定し、チャートを見なくてもトレードが自動完結する仕組みが作れます。特にIFO注文は、仕事中・就寝中でも自動でトレードが進む「ほったらかしトレード」の実現に欠かせないツールです。最初はOCOから始めて、徐々にIFD・IFOへとステップアップしていきましょう。
- OCO=2つの注文を同時に出し、一方が約定したら他方を自動キャンセル
- IFD=1つ目の注文が約定したら2つ目の注文が自動発動
- IFO=IFD+OCOの組み合わせ。エントリー→利確・損切りを完全自動化
- 初心者はまずOCOから練習し、デモ口座で操作に慣れてから本番へ
- 注文を入れっぱなしにせず、週1〜2回は保留中の注文を見直す習慣をつける
- リスクリワード比(最低1:1.5以上)を守ってIFO注文を設定する
複合注文に慣れたら、ロング・ショートの使い分けと組み合わせてみてください。上昇相場では押し目買いのIFO、下落相場では戻り売りのIFOと使い分けることで、どんな相場環境でも自動化したトレードを組み立てられるようになります。
※本記事は教育目的の情報提供であり、特定の投資を推奨するものではありません。FX取引には元本割れのリスクがあります。実際の取引は自己判断・自己責任でお願いします。


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