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エリオット波動とは?
5波と3波の構造を初心者向けに解説
推進波1〜5波・修正ABC波のしくみから
フィボナッチとの組み合わせ・実践での使い方まで徹底解説
この記事でわかること
- エリオット波動理論の基本概念と誕生の背景
- 5波推進波(1〜5波)と3波修正波(A・B・C波)の構造と特徴
- フィボナッチ比率との組み合わせ方(2波・4波の押し目の目安)
- 実践でエリオット波動を使う際の注意点と初心者向けアドバイス
- 波動カウントのよくある間違いとその対処法
「チャートを見ていると、なんとなく上がっては下がり、また上がる……という波のような動きが繰り返されている」——そう感じたことはありませんか?その直感は、案外正しいかもしれません。
エリオット波動理論は、相場の値動きが「5つの推進波」と「3つの修正波」という規則的なパターンで構成されるという考え方です。1930年代にラルフ・ネルソン・エリオット(Ralph Nelson Elliott)が発表して以来、テクニカル分析の世界で長く使われてきた理論です。
ただし正直に言うと、エリオット波動は「知っておくべき概念」ではあるものの、初心者が実践で使いこなすには相当な修練が必要です。この記事では理論の全体像をしっかり理解した上で、初心者がどのように活用すればいいかまで、私自身の失敗談を交えながら解説します。
著者より|高橋誠
FXを始めて2年目のころ、エリオット波動を学んで「これで相場が読める!」と確信しました。1波・2波・3波と一生懸命カウントして、「今は3波の途中だから大きく上がるはず」と意気込んでトレードしていたのです。
ところが、実際のチャートでカウントしようとすると、何回数え直しても答えが変わってしまいます。「今は3波の途中か?それとも5波が終わってABC修正波のA波に入ったのか?」と迷い続け、結局エントリーも決済もすべて後手に回ってしまいました。
エリオット波動は相場の本質を学ぶ上でとても重要な概念ですが、リアルタイムでのカウントは熟練者でも意見が割れることがあります。この記事では、そんな私の失敗も踏まえて「何を学べばいいか」「どこに注意すべきか」をお伝えします。
エリオット波動理論とは何か|誕生の背景と基本概念
エリオット波動理論(Elliott Wave Theory)とは、会計士のラルフ・ネルソン・エリオット(Ralph Nelson Elliott, 1871〜1948年)が、膨大な株式相場のデータを研究して発見した波動理論です。エリオットは1938年に著書『波動の原理(The Wave Principle)』を発表し、相場の値動きには繰り返すパターン(波動)があると主張しました。
エリオットが注目したのは、市場参加者の心理が集合的に働くことで、相場の動きに一定のリズムが生まれるという点です。欲望と恐怖が交互に市場を支配するため、上昇と下落は5+3という8波のサイクルを繰り返すと考えました。
エリオット波動理論の3原則
- ルール①:2波は1波の始点より下(高値)を割ってはいけない
- ルール②:3波は推進波(1・3・5波)の中で最も短くなってはいけない
- ルール③:4波は1波の高値圏内に入ってはいけない(1波と4波はオーバーラップしない)
これらは絶対に守られなければならないルールです。もしカウントがこのルールを破っているなら、その波動カウントは誤りということになります。波動カウントの際はまずこの3つを確認することが重要です。
また、エリオット波動にはフラクタル構造という特徴があります。大きな波の中に、同じパターンの小さな波が含まれているという概念です。月足チャートで見える1波の中にも、日足チャートで見れば5+3の波動が存在します。これにより、どの時間軸でも理論的には同じ原則が当てはまるとされています。
▲ エリオット波動の全体構造(推進5波+修正3波=8波サイクル)
推進波(5波)の構造と各波の特徴を詳しく解説
エリオット波動の上昇サイクルの核心は推進波(インパルス波)と呼ばれる5つの波です。上昇方向に動く1・3・5波と、それに対する押し目(反落)を作る2・4波で構成されます。それぞれの波にはっきりとした特徴があり、その特徴を理解することがトレード判断の基礎になります。
| 波の種類 | 動きの方向 | 特徴・解説 | 市場心理 |
|---|---|---|---|
| 1波 | 上昇 | 最初の上昇局面。下落トレンドの反転点から始まる。まだほとんどの市場参加者が気づいていないため、値幅は比較的小さいことが多い。 | 「まだ下がるかも」という懐疑論が多い |
| 2波 | 下落(押し目) | 1波上昇後の押し戻し。1波の始点を下回らないが、1波の50〜61.8%程度まで戻ることが多い。フィボナッチの61.8%戻しが典型的。 | 「やっぱり下がった」と投資家が売り直す |
| 3波 | 上昇(最強) | 推進波の中で最も長く、最も力強い波。最短になってはいけないというルールがある。出来高も増加し、多くのトレーダーがこの波でエントリーして大きな利益を上げる。 | 「上がってきた!」と多くの参加者が強気に |
| 4波 | 下落(調整) | 3波の利食いによる調整局面。1波の高値圏内に入ってはいけない(4波と1波のオーバーラップ禁止)。2波よりも浅い押しになることが多く、38.2%戻しが典型的。 | 利益確定売りが出るが底堅い相場 |
| 5波 | 上昇(最後) | 最後の上昇局面。3波より短いことが多く、出来高は減少しながら上昇する「ダイバージェンス」が見られることが多い。この波が終わると修正波(ABC波)に移行する。 | 「もっと上がる」という楽観論が最高潮に |
1波の特徴と見分け方
1波は下落トレンドの末期、または横ばいレンジの下限から発生します。この段階では市場の大多数がまだ下落トレンドが続くと思っているため、上昇に参加する参加者は少数です。チャート上では比較的小さな陽線が連続するか、急な反発として現れます。
1波が終わったと判断するのは難しく、後から「あれが1波だった」と気づくケースがほとんどです。ダウ理論のトレンド転換シグナルと組み合わせると、1波の認識精度が上がります。
2波の特徴と押し目の深さ
2波は1波の上昇に対する押し戻しです。「やっぱり下がった」と感じた市場参加者が売りを出すため、1波の上昇分の50〜61.8%程度を戻すことが多いです。ただし、1波の始点(ゼロ点)より下がってしまったら、その波動カウントは誤りということになります。
2波が深い押しになる一方、4波は浅い調整になる、あるいはその逆になるという「オルタネーション(交替の原則)」があります。2波が急な押しなら4波は緩やかな調整になりやすいという傾向です。
3波の特徴|最も利益が取りやすい波
3波はエリオット波動理論の中で最も重要な波です。「推進波の中で最短にはなれない」というルールがあるほど、力強い上昇を示します。出来高が増加し、多くの機関投資家も参加して相場が一方向に動くため、トレーダーにとって最も利益を取りやすい局面です。
3波の値幅は1波の1.618倍(フィボナッチ比率)になることが多いとされています。つまり1波の値幅が100pipsなら3波は161.8pips程度が目安になります。ただしこれはあくまで目安であり、必ずしもその通りになるわけではありません。
4波の特徴と調整パターン
4波は3波の利食いによる調整局面です。2波と比べると浅い押しになることが多く、フィボナッチの38.2%戻しが典型的な押し目とされています。また、2波が単純な押し下げ(ジグザグ)になることが多い場合、4波は複雑な横ばい調整(フラット・トライアングルなど)になるというオルタネーションの原則があります。
4波で重要なのは「1波の高値圏内に入ってはいけない」というルールです。上昇トレンドの場合、4波の安値が1波の高値を下回ってしまうと、そのカウントは成立しません。
5波の特徴と天井サイン
5波は推進波の最後の局面で、3波より短いことが多いです。市場の楽観論が最高潮に達し、「もっと上がる」と信じた参加者が遅れてエントリーしてきますが、実際には出来高が減少していることが多くあります。
RSIやMACDなどのオシレーター系インジケーターでダイバージェンス(逆行現象)が出やすいのがこの5波です。価格は上昇しているのにインジケーターが下落するダイバージェンスが確認できた場合、5波の終盤(天井)を示唆している可能性があります。
▲ 各波の特徴と動きの詳細図(1〜5波・ABC波)
修正波(ABC波)の構造と3つのパターン
5波の推進波が完成すると、次に修正波(コレクティブ波)が始まります。修正波はA・B・C波の3つで構成され、推進波の上昇分を部分的に押し戻す動きをします。一般的には推進波全体の38.2〜61.8%程度を修正するとされています。
| 波の種類 | 動きの方向 | 特徴・解説 | 市場心理 |
|---|---|---|---|
| A波 | 下落(反落開始) | 修正波の最初の下落局面。5波の高値圏から売り圧力が強まり始める。まだ「一時的な押し目」と見る参加者も多く、売りの勢いは途中で弱まることがある。 | 「利食い売り」と「まだ上がる」が混在 |
| B波 | 上昇(戻り) | A波下落後の一時的な戻り局面。「押し目買いのチャンス」と勘違いしやすく、多くのトレーダーが騙されやすい波。B波の戻りはA波の38〜61.8%程度が多い。 | 「やっぱり上がってきた」という買いが入る |
| C波 | 下落(最終下落) | 修正波の最後にして最も強い下落局面。A波の安値を割り込み、修正の本格化を示す。推進波と同様に内部は5波構造になっていることが多い。 | 「やはり下がった」と売り圧力が一気に増す |
修正波の主なパターン3種類
修正波は単純な3波構造(ジグザグ)だけでなく、複数のパターンが存在します。主な3パターンを理解しておくことで、修正波の途中での判断がしやすくなります。
① ジグザグ(ZigZag)
最も一般的な修正パターン。A波・C波は5波構造、B波は3波構造。A波の下落幅よりC波が長くなることが多い。
② フラット(Flat)
A・B・C波がすべて3波構造。B波がA波の始点付近まで戻るのが特徴。レンジ相場に近い動きをする。
③ トライアングル(Triangle)
5つの波が収束するパターン。主に4波または修正波のB波で出現する。収束後に再び推進方向に動くことが多い。
これらのパターンは後から見れば「なるほど」と分かるのですが、リアルタイムではどのパターンになるか判断するのが難しいのが現実です。特にB波は「まだ上昇が続いている」と錯覚させやすいため、初心者が最も騙されやすい波といえます。
フラクタル構造とは|大きな波の中に小さな波が宿る
エリオット波動の最大の特徴の一つがフラクタル(自己相似)構造です。大きな波の中にも、同じ波動パターンが存在するという概念で、どの時間軸のチャートを見ても理論的には同じ波動サイクルが適用できます。
たとえば、月足チャートで見た「1波(推進波の第1波)」の中を日足チャートで拡大して見ると、そこにも5+3の波動サイクルが存在します。さらに日足の1波の中を1時間足で見ると、また同じ5+3のパターンが……という具合に、無限に入れ子構造になっています。
フラクタル構造の実例イメージ
【月足】上昇トレンド = 5波推進+3波修正(大サイクル)
↳【日足】月足の”1波”を拡大すると = 5波推進+3波修正(中サイクル)
↳【1時間足】日足の”1波”を拡大すると = 5波推進+3波修正(小サイクル)
※理論上、どの時間軸でも同じ構造が繰り返される
このフラクタル構造は、マルチタイムフレーム分析との親和性が非常に高いです。上位足(たとえば日足)で現在が推進波の3波中であると判断できれば、下位足(1時間足)で3波の中の細かい波動を狙ってエントリーするという戦略が立てられます。
ただし注意点として、フラクタル構造は理論上の話であり、実際のチャートで完璧に当てはめようとすると「どの階層の波を今見ているのか」が分からなくなることがあります。まずは月足・週足・日足という大きな時間軸から波動を把握し、下位足に落としていくアプローチが実践的です。
フィボナッチ比率とエリオット波動の組み合わせ
エリオット波動とフィボナッチ比率は非常に相性が良いとされています。各波の値幅や押し目の深さがフィボナッチ比率(23.6%・38.2%・50%・61.8%・161.8%など)と一致しやすいからです。フィボナッチリトレースメントを理解していると、波動カウントの根拠が補強されます。
| 波 | フィボナッチ比率の目安 | 具体的な意味 | 使い方の例 |
|---|---|---|---|
| 2波の押し目 | 61.8%戻し | 1波の値幅の61.8%を下落して支持される | 2波の終点(=3波の始点)として押し目買いを検討 |
| 3波の値幅 | 1波の1.618倍 | 1波の値幅×1.618が3波の目標値幅の目安 | 3波のターゲット(利確水準)を設定する際に活用 |
| 4波の押し目 | 38.2%戻し | 3波の値幅の38.2%を下落して支持される | 4波の終点(=5波の始点)として押し目買いを検討 |
| 5波の値幅 | 1波と同等か0.618倍 | 1波と5波の値幅が等しいか、0.618倍になりやすい | 5波のターゲット設定、利確の目安に活用 |
| C波の値幅 | A波の1.0〜1.618倍 | A波と同程度かそれ以上の下落になりやすい | C波の下落ターゲット(ショートの目標値)の目安に |
| 修正波全体の深さ | 推進波全体の38.2〜61.8% | 5波の上昇幅に対してABC波は38.2〜61.8%を修正する | C波終点(次の推進波の始点)を事前に想定する |
実践例:ドル円で2波と3波を狙う場合
① 日足チャートで上昇トレンドを確認し、1波の高値・安値を特定する
② 1波の値幅にフィボナッチリトレースメントを引き、61.8%ラインを確認
③ 価格が61.8%付近で反発(2波の終点)したら、3波の始点として買いを検討
④ 目標値は1波値幅×1.618(フィボナッチエクステンション)に設定
※これはあくまで理論的な解説であり、実際の取引での利益を保証するものではありません
フィボナッチとエリオット波動の組み合わせは非常に強力ですが、両方を同時に覚えようとすると混乱します。まずエリオット波動の構造を理解し、その後でフィボナッチを「各波の終点を確認するツール」として追加していく学習順序をお勧めします。
▲ ドル円チャートへのエリオット波動カウントとフィボナッチの活用例(イメージ図)
エリオット波動の実践での使い方|3波を狙う基本戦略
エリオット波動理論を実践トレードに活かす場合、最も基本的な戦略は「3波を狙う」ことです。3波は推進波の中で最も力強く長い波であり、トレーダーにとって最大の利益チャンスが生まれやすい局面です。
3波を狙う5ステップ
上位足でトレンドを確認する
日足・週足チャートを見て、大きな上昇トレンドが継続していることを確認します。ダウ理論の「高値・安値の切り上がり」も同時に確認するとより確実です。
1波を特定する
直近の底値から最初の上昇局面を1波として特定します。前の高値を超えたか、一定の値幅で上昇したかを確認します。1波の高値・安値をメモしておきます。
2波の押し目でフィボナッチを活用
1波の値幅にフィボナッチリトレースメントを引き、50〜61.8%付近で下落が止まるかを観察します。この付近で反発の兆候(陽線、出来高増加など)が出たら3波の始点の候補です。
3波でエントリー・目標値を設定
2波の安値付近(フィボナッチ支持帯)で買いエントリーし、損切りは2波の安値の少し下に設定します。目標値は1波値幅の1.618倍(フィボナッチエクステンション)が目安です。
3波達成後は慎重に対応
目標値付近で部分利確し、残りのポジションは4波の調整を経て5波への移行を観察します。3波後は必ず4波の調整が来るので、ポジションを持ち続ける場合は注意が必要です。
各通貨ペア・時間足でのエリオット波動の特徴
| 通貨ペア・時間足 | エリオット波動の特徴 | 波動カウントの難易度 | 初心者への適性 |
|---|---|---|---|
| ドル円(USD/JPY)日足 | トレンドが比較的明確で波動が把握しやすい。日銀介入リスクあり | ★★★(普通) | 初心者向きの練習チャート |
| ユーロドル(EUR/USD)日足 | 世界最大の取引量。波動が比較的素直でフィボナッチとの一致率が高い | ★★(やや易) | エリオット学習の基本通貨ペア |
| ポンド円(GBP/JPY)日足 | 値動きが荒く波動が複雑になりやすい。修正波のパターンが多様 | ★★★★★(非常に難) | 初心者には不向き |
| ドル円 1時間足・4時間足 | 短期ノイズが多く波動の識別が難しい。経済指標の影響を受けやすい | ★★★★(難しい) | 日足に慣れてから挑戦 |
| 週足・月足 | 大局観の把握に最適。波動の形が明確で大きなサイクルを理解しやすい | ★★(把握しやすい) | まずここから学ぶのが最適 |
エリオット波動を初めて学ぶなら、まず週足・月足の大きな時間軸でドル円やユーロドルのチャートを見て、「推進波と修正波の流れ」を大局観として把握することを強くお勧めします。短期足での細かいカウントに入るのは、大きな波動の流れが掴めるようになってからで十分です。
エリオット波動 vs ダウ理論|違いと使い分け方
エリオット波動と並んでよく学ばれるのがダウ理論です。どちらもトレンドの構造を理解するための理論ですが、アプローチが異なります。両者を比較して特徴を理解した上で、使い分け・組み合わせ方を学びましょう。
| 比較項目 | エリオット波動理論 | ダウ理論 |
|---|---|---|
| 発案者・発表年 | R.N.エリオット(1938年) | チャールズ・ダウ(1900年代初頭) |
| 基本コンセプト | 相場は5波推進+3波修正のサイクルで動く | トレンドは高値・安値の切り上がり/切り下がりで確認 |
| 強み | 相場の未来の動きを予測しやすい。フィボナッチとの相性が良い | 客観的・シンプル。主観が入りにくくルールが明確 |
| 弱み | 波動カウントに主観が入りやすく、熟練が必要 | トレンドの確認が後追いになりやすい |
| 習得難易度 | 高め(数ヶ月〜数年) | 比較的低い(数週間〜1ヶ月) |
| 初心者への推奨度 | ダウ理論を理解してから学ぶべき | 最初に学ぶべき理論 |
| 組み合わせ時の役割 | 「今どの波にいるか」を把握するフレームワーク | 「トレンドが続いているか」を確認するフィルター |
初心者への学習順序の推奨
① ダウ理論(トレンドの基本)→ ② エリオット波動(波動の構造)→ ③ フィボナッチ(各波の終点確認)の順で学ぶことで、理解の土台がしっかりと築かれます。エリオット波動だけを先に学ぼうとすると、「今どこ?」という迷子になりやすいです。
実践では、ダウ理論でトレンドの大局を確認し、エリオット波動で「今が推進波の何波目か」を推測し、フィボナッチで「押し目の目安はどこか」を具体的に把握するという3段階の分析が有効です。3つの理論が互いを補完し合う関係になります。
波動カウントのよくある間違いと対処法
エリオット波動を学び始めた初心者が最も悩むのが「波動カウントが合わない」問題です。私自身、何度数え直しても答えが変わってしまい、実際のトレードで迷い続けた経験があります。よくある間違いパターンと対処法をまとめました。
| よくある間違い | 発生しやすい状況 | 対処法 |
|---|---|---|
| B波を3波と勘違いする | 修正波のB波(戻り)が強く、まだ上昇が続いていると思いこむ | 直前に5波の推進波が完成しているか確認。B波はA波の終点を超えないことが多い |
| どこが1波の始点か分からない | 前の下落トレンドと反転点の識別が難しい | 上位足(週足・月足)で直近の最安値から数え始める。ダウ理論の転換サインを活用 |
| 3波か5波かの判断がつかない | 上昇が継続していて「今どこにいるか」が分からなくなる | RSIのダイバージェンスで5波を疑う。出来高が減少しているかチェック |
| 修正波のパターンが判断できない | ジグザグかフラットかトライアングルか迷う | 修正波の形が確定するのを待ってからエントリー。修正波中はポジションを持たない選択肢も |
| ルール違反を見落とす | 2波が1波の始点を割っているのに無理にカウントを続ける | 3原則を定期的にチェックするリストを作成し、一つでもルール違反があればカウントをやり直す |
| 時間軸を混同する | 日足の1波と1時間足の5波が混ざって分からなくなる | 分析する時間軸を一つに絞り、必ず上位足(1段上)から確認してから下位足へ |
波動カウントの大原則:複数のシナリオを持つ
プロのエリオット波動アナリストでさえ、一つのチャートに対して複数の波動カウント(メインシナリオ・代替シナリオ)を用意します。「今は3波の途中」という一つのカウントに固執せず、「3波の途中かもしれないし、B波の可能性もある」と複数の可能性を保持しながら相場を見ることが、エリオット波動を実践で活かすコツです。
私が2年目に犯した最大の失敗は、「自分のカウントが正しい」と思い込んで、逆方向の動きに気づくのが遅れたことです。波動カウントは「確定」ではなく「仮説」であるという謙虚な姿勢を持つことが、エリオット波動理論を有効活用するための基本的な心構えです。
エリオット波動の難しさと初心者へのアドバイス
ここまで読んでいただいた方は、エリオット波動が非常に奥深い理論であることが分かったと思います。正直に言うと、エリオット波動理論はFXテクニカル分析の中でも特に習得が難しい部類に入ります。
その理由は主に以下の3点です。
① リアルタイムカウントの困難さ
過去のチャートなら「あそこが3波だった」と分かりやすいが、現在進行形の相場では波動の終点がどこかが分からない。同じチャートを見ても分析者によってカウントが異なることがある。
② 主観が入りやすい
波の数え方に絶対的なルール(3原則)はあるものの、どの山・谷を波として認識するかは分析者の判断に依存する。経験が浅いうちは「都合のいい解釈」になりやすい。
③ 修正波パターンの複雑さ
修正波にはジグザグ・フラット・トライアングルなどのパターンがあり、さらにダブルジグザグ・トリプルスリーなど複合的なパターンも存在する。全て習得するには数年単位の学習が必要。
初心者が今すぐできる3つのこと
過去チャートで波動を数える練習をする
FXのデモ口座や無料チャートツール(TradingViewなど)で、過去のドル円週足・月足チャートに1〜5波とABC波をラベリングする練習をしてみてください。リアルタイムではなく過去チャートで練習することで、波動の形が頭に入ります。
まずダウ理論をしっかり固める
エリオット波動は「ダウ理論が前提」の発展理論です。高値・安値の切り上がり(上昇トレンド)・切り下がり(下落トレンド)という基本概念が体に染み込んでから、エリオット波動に進むことで理解がスムーズになります。
3原則だけを厳守して使ってみる
全パターンを覚えようとせず、「2波は1波の始点を割らない」「3波は推進波で最短にならない」「4波と1波はオーバーラップしない」という3原則だけを使ってカウントの正誤を判定する練習から始めましょう。
エリオット波動は「理解すれば相場が全部読める魔法の理論」ではなく、「相場の大局観を養うための思考フレームワーク」です。完璧なカウントを目指すより、「今は推進波の局面か修正波の局面か」という大まかな把握ができるようになることを目標にするのが、初心者には現実的なアプローチです。
エリオット波動を活用したトレード戦略の実例
ここでは、エリオット波動理論とフィボナッチを組み合わせた具体的なトレード戦略の考え方を解説します。これは利益を保証するものではなく、あくまで理論的な手順を学習目的で紹介するものです。
戦略①:2波押し目で3波を狙うロング戦略
状況設定:週足チャートで上昇トレンドが継続中。日足で1波上昇→2波調整が完了しつつある局面
エントリー条件
- 週足・日足で上昇トレンド継続を確認
- 1波の61.8%フィボナッチライン付近で反発
- 4時間足か1時間足で反発の陽線確認
- 2波の安値が1波の始点を超えていないことを確認
損切り・利確の考え方
- 損切り:2波の安値のわずか下(1波の始点付近)
- 第1ターゲット:1波高値(確実に利確)
- 第2ターゲット:1波値幅×1.618(フィボナッチエクステンション)
- RSIがオーバーボートになったら利確を意識
戦略②:5波終了後のC波ショート戦略
状況設定:5波が完了した可能性が高く、修正波(ABC波)への移行が疑われる局面
エントリー条件
- 5波の高値でRSIダイバージェンスを確認
- A波の下落が確認でき、B波の戻りが発生中
- B波がA波の61.8%戻し付近で失速している
- B波が5波の高値を超えていないことを確認
損切り・利確の考え方
- 損切り:B波の高値(5波終点)のわずか上
- 第1ターゲット:A波の安値(ここで部分利確)
- 第2ターゲット:C波がA波と等しい下落幅の水準
- 推進波全体の38.2〜61.8%押し水準も参考に
重要:リスク管理について
上記の戦略はあくまで教育目的の解説です。エリオット波動カウントはリアルタイムでは誰にでも誤りうるものです。実際のトレードでは必ず損切り注文を設定し、1回のトレードでの損失が口座残高の1〜2%以内に収まるよう資金管理を徹底してください。FX取引はレバレッジを伴うため、損失が証拠金を超える可能性があります。
エリオット波動に関するよくある質問(FAQ)
まとめ:エリオット波動理論の要点
エリオット波動理論は1938年にR.N.エリオットが発表。相場は5波の推進波+3波の修正波(計8波)のサイクルで動くと考える
3原則(2波は1波始点を割らない・3波は最短にならない・4波と1波はオーバーラップしない)は必ず守られる絶対ルール
3波は推進波の中で最も長く力強い波。フィボナッチの2波は61.8%押し・4波は38.2%押しが目安となりやすい
修正波のB波は「まだ上昇中」と誤認しやすい最も騙されやすい波。B波後のC波下落に注意
初心者はまずダウ理論を固めてからエリオット波動を学ぶ。週足・月足の大局観から把握するのが実践への近道
波動カウントは「確定」ではなく「仮説」。複数のシナリオを保持しながら柔軟に対応する姿勢が重要
【リスク注意】FX取引には相場変動リスクが伴います。本記事の内容は教育目的であり、特定の取引を推奨するものではありません。実際の取引においては必ず資金管理を行い、損切り注文を設定してください。FX取引はレバレッジを伴うため、投資元本を超える損失が生じる可能性があります。取引を始める前に各証券会社のリスク説明書を必ずお読みください。


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